No.  123より
コーヒーの効能

  最近「コーヒーが健康にいい」という話をよく聞くようになってきました。①糖尿病のリスクを下げる、②心臓病、脳卒中の予防、③大腸癌などの癌を予防、④肝硬変や肝癌のリスクを下げる、⑤アルツハイマー病の予防、⑥死亡率を下げるといった研究報告が続々出てきています。私も以前からコーヒーを1日数杯は飲んできました。

 先日、御殿場のレストラン”洋食SUGANO”に行ってきました。地元の新鮮な食材を使い、丁寧で美味しい料理をいただけます。そこで偶然、コーヒー焙煎のインストラクターを育てている先生に巡り会い、「目からウロコ」のお話を聞かせて頂きました。

 日本にコーヒーが入ってきたのは江戸時代のようです。しかも当初は「薬」と見なされていました。そのエピソードを物語る記念碑が、日本最北端の地、宗谷岬にあるそうです。

宗谷岬には探検家、間宮林蔵の像や「日本最北端の地の碑」があることで知られていますが、以外と知られていないのが「津軽藩兵詰合の記念碑」。この記念碑は、大きなコーヒー豆をかたどっているんです。江戸時代、北方警護のために幕府は津軽藩の藩士達を宗谷の地に派遣。極寒の地で過ごす藩士は「水腫病」のために命を落としていきました。そこで幕府は水腫病に効果があるとされていたコーヒー豆を配給したのです。すると次に派遣された会津藩藩士たちはほとんど犠牲者が出なかったとのことです。この地で多くの藩士が命を落とし、彼らを供養する意味でコーヒー豆の記念碑が建てられたのです。

 コーヒーの効能は①肝臓を強くして胃を整える、②風邪を払う、③水腫を退ける、④心を爽やかにする、があります。

 焙煎したてのコーヒーは健康食品です。ただし、焙煎後、豆で7日!粉で3日!たてて30分が有効期限です。美味しくて身体に良いコーヒーなのですが、焙煎後は非常に酸化しやすい不安定な物質なのです。酸化が進むと、コーヒー豆に含まれる脂肪酸が、酸化によって劣化した脂肪酸になってしまうからです。つまり酸敗油に劣化した「酸敗コーヒー」になってしまいます。

 夜コーヒーを飲んで眠れなくなったという方は多いでしょう。しかし、焙りたてコーヒーを夜飲むと、眠れないどころか、ぐっすり眠れます。実はカフェインというのは安眠剤でもあるのです。コーヒーをたくさん飲むと胸焼けするという方も、焙りたてコーヒーでは起こらないのです。どちらも酸敗コーヒーを飲んだため起こったと考えられます。コーヒーは「生鮮食品」です。ところが日本で売られているコーヒーのほとんどは、酸化の進んだ酸敗コーヒーということです。

 後日、先生自らが焙煎した新鮮な「手作りのコーヒー」を福岡から送っていただきました。そのコーヒーの香り、味はこれまで飲んだ中で「最高のコーヒー」でした。感謝!!

       取材  福岡「千香」珈琲塾 西村 博之先生  Tel&Fax    092-531-2935