No. 125より
フレイルについて

      ”健康寿命”という言葉をご存知でしょうか?医療の進歩や生活改善などのおかげもあり、多くの方が長生きできる時代になりました。しかし、年齢を重ねるにつれ体力は落ち、病気にかかりやすくなったり、ちょっとしたことで怪我してしまったりと、身体的な不安も抱えやすくなります。そのため、平均寿命が延びると同時に「年齢を重ねても、健康のまま生活を満喫したい」と願う方が増えるようになりました。

そんな高齢化社会が進む中で、”フレイル”という概念が提唱され、フレイルを予防、もしくはフレイルから回復することで健康な状態で人生を謳歌しようという考えが広まってきています。

 壊れやすい荷物に、「Fragile(フラジール)」とタグがついていたりするのをご覧になったことはありませんか?英語でモノの壊れやすさを「Fragility(フラジリティ)」といいます。一方、人間の身体的、精神的な脆さを「Frailty(フレイルティ)」といいます。これらの言葉を日本語化して”フレイル(虚弱)”というようになったのです。フレイルは、「健康と要介護状態の中間の状態と定義されることもあります。

 フレイルになる要因は、筋力低下、活動量低下、食事量の減少、低栄養の4つです。筋肉合成には蛋白質、筋肉の運動に必要な必須アミノ酸であるBCAA,筋肉を支える骨にはカルシウム、カルシウムの吸収、骨の形成に必要なビタミンDなどを十分摂取できるようなレシピが理想的です。蛋白質が豊富に含まれているのは、肉、魚、乳製品、豆類など。カルシウムが豊富なのは小魚、牛乳などで、ビタミンDは魚やきのこ類に多く含まれています。これらの食材を摂取することを意識しましょう。日々の食事に小魚を添えたりすることもおすすめです。また、朝昼晩三食で、自分に必要な摂取エネルギーがしっかり摂れているか、一度見直してみるのも良いかもしれません。

 フレイル予防には、激しい運動は必要とされていません。ご近所やスーパーマーケットを散歩してみる、いつもエレベーターやエスカレーターを使うところを週2回は階段を使ってみることなど、意志が強くなければ続けられないような強い運動でなく、年単位で長く継続できるような軽い運動を取り入れるのがおすすめです。「片脚立ち」、「スクワット」といった運動を、1日1回行うと言ったことも有効でしょう。

 今は健康な方でも、数年、数十年後を想像すれば、”人生元気で楽しく長くやっていきたい”と思う方は多いのではないでしょうか?フレイルから回復すること、また予防するにはこれらを意識し、原因となるものに日々対応していくことが必要です。

 今一度、ご自身の日々の運動、食事内容を見直してみませんか?